朝日カルチャー2023/feb/15

[132] 【Happy birding23】1月後半ー2月前半


 

冬羽

 2023/feb/12

足柄上郡

バン 32.5cm

Gallinula chloropus

ツル目 Gruiformes

クイナ科 Rallidae

バン属   Gallinula

バンの嘴は先が黄色で、付け根が赤。

くちばしに続く額も赤です。

[ フィールドガイド日本の野鳥 pg.123 ]

しかし、

このバンの嘴や額は赤くありません。

これはまだ冬羽だからです。

冬羽では嘴や額、脚の色が

鮮やかではなくなります。

 

Q.  バンの雌雄の違いは  

どのように分かるのでしょうか。  


バンなどツル目の鳥は基本的には

性的2型 (sexual dimorphism) はないと

されているので、

外見で雌雄を見分けるのは難しいと

されています。

 

大型のツル科では並ぶと大きさに

違いがあることが多い他、

鳴き方や行動などで

判別できることがあります。

 


  2023/feb/12

足柄上郡

ヒドリガモ

Anas penelope

カモ目 Anseriformes

カモ科 Anatidae

マガモ属   Anas

ヒドリガモ ♀

 

↑ ヒドリガモ ♂

 

 成鳥のヒドリガモ♀

翼鏡 よっきょう が見える.


 

ヒドリガモ♀若鳥

 ↑ 土手を登ろうとする

若鳥のヒドリガモ♀

 

若鳥と思われるヒドリガモ♀

 

メス若鳥は成鳥より次列風切の

翼鏡よっきょうの光沢色に乏しく

緑色が見えないだけでなく

グレー色なモノトーンの色合い。 

 

Q.   このように翼鏡の光沢色が

見られないのは

カモ類の若鳥全般の特徴でしょうか。

 


翼鏡 よっきょう 

カモ類の次列風切にある

青や緑の光沢色の部分。

光を反射してきれいに見える。

 


メスたちの喧嘩

弱いものいじめ?

若鳥♀のヒドリガモ (手前)

土手に着いたところ

もう1羽のメス♀に襲われる。

 

 ↑若鳥♀(手前)

喧嘩の時、首が狙われるのですね。

 

 「お前は向こうへ行けっ!」

 

「わかりましたよ!行けばいいでしょう!」

 


  

カワウの求愛 モテる雄

 2023/jan/17

足柄上郡

カワウ 82cm

Phalacrocorax carbo

カツオドリ目 Suliformes 

ウ科 Phalacrocoracidae

ウ属 Phalacrocorax



「カワウのこのポーズは雌雄ともに見られる。

サギ類もそうで求愛ポーズと

される行動の雌雄差は

あまりないようと言われている。」

 


 

 2023/jan/31

足柄下郡

若鳥

 


 

求愛のポーズ?

 2023/jan/27

足柄上郡

カワアイサ 65cm

Mergus merganser

カモ目 Aseriformes

カモ科 Anatidae

ウミアイサ属   Mergus

 ♀(左)(右)

Q.   (右)は2回ほど

首を上に伸ばし、

このようなポーズをとった。

求愛行動でしょうか。

 


 「求愛ポーズは生理的な行動から

進化したという説があり、

求愛時以外に求愛ポーズ的な形に

なることはあり得ると思われます」

 


(左)「それって...、何?」

という感じですね。。。

 

 その後、♀は泳ぎ出した。

 

 アオサギ若鳥 (左)- カワアイサ ♂ (右)

 

 ♂

初列風切しょれつかざきりは黒い (10枚)


 

思い掛けない出会い

 2023/feb/07

足柄上郡

オオタカ ♀

♂50cm  ♀57cm

Accipiter gentilis

タカ目 Accipitriformes

タカ科 Accipitridae

ハイタカ属   Accipiter

 

「現在、オオタカの主要な分布域は

東日本である。

その中でも関東地方の

郊外で生息密度が高いと

考えられており、

より具体的には、

森林や農地、市街地が混在する

環境が典型的な

オオタカの生息地となっている。」

 

2022/9月号Birder

「オオタカは本当に増えているのか?」

夏川遼生 より抜粋

 ほぼフリーズ状態のオオタカ。

怪我したのではないかと心配した。

 

 嘴に血跡が付いている。

食事中だろうか。。。

 

 胸が膨らんでいますね。

食べたものを

消化しているんだろうか。

 

 30分ぐらい私たちと

睨めっこしたオオタカ。

 

私たちが近づいても

全く逃げる気配はなかった。

嬉しい!!(^_^*)

こんな近くで観察できるなんて。。。

 

しかし、

突然、ある叔父さんが現れ、

危険性を感じたのか、

鳴きながら

主人の頭上をオオタカが飛んで

東の方へ行ってしまった。

 

怪我じゃなくって良かった!

 

オオタカが居た場所を調べたら

「白いハト」がほぼ完食されていた。

 


Q.  オオタカの雌雄の違いは  

どのように分かるのでしょうか。

 

雌雄はなんと言っても大きさが違います。

数値を並べるより

♂はハシボソガラスほど、

♀はハシブトガラスほどと言われ、

並んでくれたら♀は一回り

大きく見えるはずです。

 

色や模様は年齢、個体差、摩耗などで

簡単ではないのですが、

暗色部の羽に♀にはやや褐色味があり、

写真の個体はメスと思います。

 

虹彩が赤いと雄ですが、

雄でも黄色い個体がいます。

  


頭の名称

オオタカの 蝋膜 は大抵は黄色いのですが、

この個体のは黄色くない。

個体差でしょうか。


蝋膜 ろうまく

上嘴じょうしの付け根を

覆う肉質の部分のこと。


  

 風切の先端に白い縁

 2023/jan/27

足柄上郡

イソシギ 20cm

Actitis hypoleucos

チドリ目 Charadriformes

シギ科 Scolopacidae

イソシギ属  Actitis

初列風切と次列風切の羽の

「先端が白い縁」は

雌雄の違いでしょうか。

それとも若鳥の特徴でしょうか。

 

フィールドガイド日本の野鳥 p.149を

見るとその白い部分が描かれていない。


「氏原さんのシギ・チドリ類ハンドブックの

イソシギの図版は

飛翔時に次列風切先端部が少し白いように

書かれているので

個体差があるものと思われますが、

この写真のようにはっきり白く

初列にも白が出る個体は

私は初めて見ました。」

 


 

初列風切と次列風切の

境目はどこ?

  2023/jan/27

足柄上郡 

 セグロセキレイの初列風切は10枚

次列風切は6枚と言われている。

 

しかし、初列風切と次列風切の

境目がはっきりしていないので、

数えるのが難しい。

  


「初列の内側ほど形状が次列と似てきますが、

ついている位置が違い、

初列は人手いうと手の部分、

次列は腕の部分の骨についています。

翼をたたむと、

次列は外側に位置します。

また、

スズメ目は初列の最外側は退化していて

野外ではほとんど見えません。

一番外側に見える長い初列が

2枚目になります。」


 

「雄」「雌」どっち?

 2023/jan/31

足柄下郡

キセキレイ 20cm

Motacilla cinerea

スズメ目 Passeriformes

セキレイ科 Motacillidae

セキレイ属  Motacilla

 夏より冬によく見かけるキセキレイ。

 

「喉が白い」だと

勝手に思い込んでしまうのは

冬の姿が目に焼き付けらているからだろう。

 

夏季に♂ の「喉が黒く」なるので、

雌雄の見分け方が簡単になってくる。

しかし、

冬には雄も雌も喉が白いので

識別しにくくなる。

  

この子は

喉から胸、下腹部まで結構白いので

♀だと思われる。

 

 胸から下腹部の黄色が目立つ。

この子は♂でしょうね。 

 


2021/may/9

福島県-西白河郡

↑ 

 


 

尾羽の数 ♂と♀の違い

 2023/jan/27

足柄上郡

コガモ 37.5cm

Anas crecca

カモ目 Aseriformes

カモ科 Anatidae

マガモ属   Anas

 ♂の尾羽の羽の数が14枚

 

 


P=primaries 初列風切 しょれつかざきり

数え方は中央から外側へP1,P2,P3...と進む

 

S=secondaries 次列風切 じれつかざきり

 

T=tertials 三列風切 さんれつかざきり

 

R=rectrices 尾羽 おばね

数え方は中央から外側へ1,2,3...と進む

中央尾羽が [R1]

 


雄の尾羽の数より多い

雌の尾羽の数=16枚.

 右の外側尾羽 [R5] が欠けている.

 


 

 オオカワラヒワ」と

カワラヒワ」

 2023/feb/04

足柄上郡

亜種 オオカワラヒワ 14cm

Chloris sinica kawarahiba

スズメ目 Passeriformes

アトリ科 Fringillidae

カワラヒワ属  Chloris

(左)(右)

三列風切の羽縁うえん

白色部が太いことから

亜種オオカワラヒワではないかと

思われる.

 

 

カムチャッカ半島から千島列島、

北海道北東部で繁殖し、

冬季は中国南東部、

日本、台湾などに渡り

越冬する亜種オオカワラヒワ.

 

 


カワラヒワ


 

トビの頭掻き

 2023/jan/11

小田原市

トビ

♂59cm ♀69cm

Milvus migrans

タカ目 Accipitriformes

タカ科 Accipitridae

トビ属   Milvus

↑ 若鳥と思われるトビ。

頭掻きは「直接法」ですね。


背比べ

  2023/jan/12

足柄上郡 

↑ 背比べに丁度いい写真となった

コサギ (61cm 左) 

ダイサギ (80〜104cm 中央)

アオサギ (95cm 右)

 


アオサギの成鳥

  2023/jan/27

足柄上郡

アオサギ [95 cm]

Ardea cinerea

ペリカン目 Pelecaniformes

サギ科 Ardeidae

アオサギ属   Ardea

成鳥のあかし

 1- 背中や胸元には見事な飾り羽

2- 後頭部の黒い冠羽が長い

3- 前頭部からおでこが白い

 


 

アオサギは座る!

 2023/feb/12

足柄上郡

 アオサギの座っている光景は

初めて見ました。

体調不良、又は怪我でしょうか。

 


 

自然は厳しい!

 2023/jan/27

足柄上郡

ハクセキレイ 21cm

Motacilla alba

スズメ目 Passeriformes

セキレイ科 Motacillidae

セキレイ属  Motacilla

翼をばたつかせていた

ハクセキレイが気になって

数回シャッターを切った。

 

若鳥

 

 PCにて拡大画像で確認したら

なんと、左の趾 あしゆび がない

バランスを取るために

翼をばたつかせていたのですね。

 

不具になっても

一人で生きていなかければいけない。

自然は優しい?。。。

いやぁ!保証のない厳しい自然である。 

 


 

曲がった嘴

 2023/jan/26

足柄下郡

セグロセキレイ 21cm

Motacilla grandis

スズメ目 Passeriformes

セキレイ科 Motacillidae

セキレイ属  Motacilla

少々曲がった嘴の個体。

「進化」の過程だろうか。。。

普通の嘴